ひな菊と黒い犬

まあまあそこそこほどほど

江之浦測候所は全然時間が足りなかった

小田原文化財団 江之浦測候所
杉本博司作品とは、なんとなく縁を感じる。

行く先々に展示されているような気がするけれど、「杉本博司」だから見に行った、という展覧会は特に記憶がない。
でも2003年に三十三間堂を見に行ったのは、杉本博司の「仏の海」を写真でみたせいだ。
www.sugimotohiroshi.com

それから2011年に「杉本文楽」を見て、観音様登場に感銘を受け、私の中で「杉本博司」がインプットされた。
nagareru.hatenadiary.org

私が都内で一番好きな美術館、東京都庭園美術館の新館リニューアルが2014年。
www.teien-art-museum.ne.jp

大手町や表参道のパブリックアート
www.artarchi-japan.art

2017年開館「小田原文化財団 江之浦測候所」は、できたばかりの頃はまだまだ展示が十分でない印象で、いつ行こうかなと保留していたら、愛読しているブログで「行ってきた」ネタがあり、ずいぶんできたなという印象を持った。2019年。
www.oukakreuz.com

そういえば、六本木の「STARS展」でも「杉本博司」見たな。2020年。
nagareru.hatenadiary.org

最近だと白井屋ホテルでも見た。
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そんなところに、去年奈良旅行に一緒に行った友人から「江之浦測候所」に春日社ができたんだよ!と教えてもらってがぜん行きたくなった。
nagareru.hatenadiary.org

で、行ってきたわけだが、全然時間が足りなかった。
午前の部(10:00~13:00)を予約。前泊ハトヤの送迎バスの始発が8:00だから、伊東から根府川までの移動を考えると、根府川駅発の始発バス9:45には間に合わないかも、というので10:05のバスを予約。
(実際には電車に合わせて運行しているので根府川駅9:40着に乗ればバスに間に合う)
根府川駅から10分程度で江之浦測候所に到着。
そこからたっぷり13時まで3時間近くあったわけなのだけれど。
ホームページにちゃんと入替制って書いてあるのに、「入替制」の意味がわかってなかったのが敗因。
「入替制」なんだから、当然13時には閉門されて、追い出されたのでした。

帰りのバス
帰りのバスの案内を見ても、なんで13時のあと15時までないんだろう、くらいに思ってたわ。
入替制って分かってたら午後の部も予約するか、午前はハトヤの温泉をもう1回楽しんで午後の部にすればよかったなあ。
というか思いのほか見どころが多かったのが敗因。
いや、多いとは思ってたけど、わかってなかった。
ホームページに「江之浦測候所」のエリア図があればまだ予想できたのだけれど、受付でガイドブック渡されて、初めて中のレイアウトを見て、これ、見終わるかな・・と不安になった。
plaza.rakuten.co.jp

とりあえずざっと一周見て、あとからもう一回気になったとこ見よう、というので見始めたのだけれど、とりあえず一周して暑さ疲れしてクーラーの効いた受付まで戻ってきたら12:30だった。
13:00発のバスが午前中の最終なのは知ってたけど、見送ってぎりぎり13:00まで見て、もう閉めますからというのを、すみませんトイレだけ行かせてくださいと行ってトイレだけ使わせてもらって、実質追い出されました。無念。もっと見たかった。

夏至光遥拝100メートルギャラリー
夏至光遥拝100メートルギャラリー。夏至の朝、この100メートルを光が抜ける。
杉本博司」のアイコンとさえいえる水平線の写真が何枚もあって良かった。
天気が良すぎて、写真に外の風景が映りこんでいる。
受付の建物とこのギャラリー以外は全部屋外なので、クーラーの効いた空間でゆっくり見られるのはここだけです。
正直夏に行くのはおすすめできない。ていうかここまで晴れなくてもっていうくらい晴れた。
確かに私、今回はサフィール踊り子に乗るから、「青く輝く美しい伊豆の海と空」が見たいって思ってたけど。

冬至光遥拝隧道
冬至光遥拝隧道のはじまり。
こちらは冬至の朝に光が貫く。100メートルギャラリーもそうだけど、「江之浦測候所」は、明確にレイライン(光の道)が通るように作られているので、太陽の光が突き抜ける様を想像しながら歩く。

光井戸
冬至光遥拝隧道の中の展示、光井戸。雨の日には雨粒が落ちるのが見えるのだそうだ。
次は雨の日に来てみたいなあ。冬至の12時だと光が井戸の中心を照らすのかしら。

冬至光遥拝隧道
冬至光遥拝隧道の続き。
こういう1本のまっすぐに続く道はずっと見ていたくなる。

冬至光遥拝隧道の終点
冬至光遥拝隧道の終わり。
とりあえず海に向かって歩きたい。

冬至光遥拝隧道の終点
そうだ、今日は「青く輝く美しい伊豆の海と空」を見に来たんだった。
足元の石はここから先に行ってはダメ、のマーカー。
「江之浦測候所」内のあちこちにあるんだけど、結構見落とす。
そしてあちこちにいる係員に「そこだめです」と言われる。

石造狸
もう見どころ多すぎて、写真を撮ってる暇もないくらい、ざっと流しで観ているのだけれど。
狸がかわいい。徳利(徳)を左手に、通帳(信用)を右手に。
八相縁起を知るともっと好きになる。
ちなみに竹林には蚊がいるから要・虫よけです。
信楽豆知識 | ほっとする信楽 信楽町観光協会

みかん畑
「かつて蜜柑畑だった小田原市江之浦の地に、現代美術作家・杉本博司が設計した壮大なランドスケープ」、って紹介だったけど、今もちゃんと「みかん畑」。モノレールとか、みかん畑とか、ここだけ見てると実家・愛媛のよく知った光景と同じで、デジャヴ。

甘橘山 春日社
うわーいいなあ。海と空とみかん畑はよく知った光景なのに、そこに春日社があるというだけで特別になる。これだ。この遠景が見たかったんだ。

甘橘山 春日社
常陸国鹿島神宮から武甕槌命が神鹿に乗って大和へ向かう途中に相模国を通られたという故事にもとづき建立された」のだそうだ。
もらったパンフレットの解説によると、奈良・円城寺の春日堂(現存する日本最古の春日造りの社殿・国宝)と同じサイズだとのこと、円城寺にも行ってみたい。礎石は和泉国国分寺跡から出土したもの。まったく縁も脈絡もないけど、こういう由来読んでるだけで時間がどんどん過ぎていく。
とりあえず、写真は一周して再訪したものだけUPしてみた。

stone age cafe
門の外に出るしかなかったので、カフェで休む?と見てみるが、絶景がゆえに日陰がないので諦める。
13時まで見学できるのに、バスが出るのが13時とはどういうことだと思いつつ(答・根府川駅の電車の時間に合わせているから)、係員さんがタクシーの番号一覧の紙をくれたので、それを眺めつつ。
日陰のベンチで持参の非常食とペットボトルでしのぐ。
どうする?
バスは15時までないから、タクシーを呼ぶか、40分歩くか。
元々歩いてもいいな、とは思ってたので、日陰で休み腹を満たしたら、歩いてもいいか、という気になってきた。
無料バスが通るルートは通ったから面白くない、海岸線も景色が変わらないのでつまらなそう、というので、Googleさんが示す山道を、歩いて駅まで下る。
途中登ったり、迷ったりしつつ。

JR線(白糸川橋梁)と東海道新幹線
東海道新幹線とJR線(白糸川橋梁)が平行する絶景スポット発見。
1時間以上かけて、無事に根府川駅にたどり着けました。
帰りはグリーン車にも乗れて、乗り換えなしでさくっと上野駅まで。
鎌倉以南の日帰りはムリと思ってたけど、行きも帰りもグリーン使えるなら、日帰りでも根府川行けるかも。
2025年秋に「甘橘山美術館」が開館予定らしいので、開館したらまた行きたいな。
あの観音様、展示されないかなあ。
今度はみかんがオレンジ色している季節がいいなあ。

www.cinemacafe.net
www.tokyoartbeat.com