ひな菊と黒い犬

まあまあそこそこほどほど

諏訪大社4社巡り 上社(前宮・本宮)

諏訪大社御朱印・一番左が本宮、その隣が前宮
御朱印は、右から下社(春宮・秋宮)・上社(前宮・本宮)。一番左(最後)が本宮(ほんみや)。

上社に行くなら、前宮(まえみや)を先に参拝するものらしい。
江戸時代までは、神事はすべて前宮で行っていたとか。
公式WEBによると「御祭神が最初に居を構えられ、諏訪信仰発祥の地」。
ちょっと調べればわかるけれども、諏訪大社の神事は多くの贄を必要とする。鹿とか兎とか蛙とか。その縄文色強い感じは、タケミナカタ様というよりも「モレヤ神」あるいは「ミシャクジ神」。民意を汲むなら「お諏訪さま」。

諏訪大社前宮駐車場
本宮の駐車場は広いけれども出入りが激しい観光地なので、前宮の一番遠くて一番広い駐車場に丸一日止めることにした。
朝イチ突入で一番奥に停めます。半分舗装、半分砂利。
駐車場内に荒玉社があり、神事で田の神を降ろすそうだ。
諏訪湖の水位が高かったときは、この駐車場までが諏訪湖で、宮川と上川がつながるほど大きかったと想像する。
地理院地図 / GSI Maps|国土地理院

一之鳥居をくぐる手前から、雨が降ってきたので傘を差す。
それなりな坂を上っていくと御柱に守られた前宮の社叢が見えてくる。
前宮の御柱
ところでここに至るまでに小さな駐車場がいくつかあるのだけれど、あれを参拝者駐車場にするのはどうかと思う。せめて関係者駐車場にして、観光客には開放しないでほしい。
できるだけ本殿に近い駐車場に止めようと右往左往する車の危ないこと。下馬しよう、下馬。

諏訪大社・前宮
神社の前に水眼(すいが)の清流が流れ、手水になっているのがよかった。禊。
諏訪造りとは違う、本殿があるタイプ。伊勢神宮の古材を使って昭和7年に建てたそうだ。
おかげで、前宮だけは、本殿の後ろに回り込むことができ、御柱をすべて触ることができる。
社務所が9時にならないと開かないというので、周囲をぐるぐると散策しているうちに御朱印の列ができてた。

御柱は前宮に行ったあと、一直線へ本宮に進む。
つまり、国道152号から県道16号。途中石清水があり、そこから東参道へと向かう。
雨は止んできたけれども日傘代わりに差したまま。

北斗神社の階段 北斗神社
北斗神社は階段だけ見上げて遥拝。

諏訪大社本宮三之鳥居
三之鳥居をくぐって東参道を進む。
このあたりからまた雨が降ってくる。青空が見える、天気雨。
前回三の御柱を見落としたので、先に御柱を探す。二之鳥居のすぐ脇にある出早社の裏手から見えるということだったけれども、立入禁止。
仕方なく法華寺の方まで行ってようやく拝めました。四の御柱みたいに遥拝所つくってほしいなあ。

布橋
布橋は龍の目が青い。宝珠も青い。
事前情報では工事中ということだったけれど、渡れた。部分的に新しく直してある。

宝殿
宝殿が新造してあっていい匂いがする。

参拝所
塀重門をくぐってUターンするように歩くと、参拝所。下社と違って、拝殿前までには行けません。

拝殿
拝殿と参拝所の間が石畳になっているのが目を引く。
しかし位置関係不思議。
下社では拝殿の奥に宝殿があって本殿のような位置づけだったのに、拝殿の手前。

龍
拝殿をズームすると、向かい合う双竜。
なぜか脇片拝殿に大黒様が祀られているのが不思議。オオクニヌシ

神紋
御神紋は、下社と同じ梶の葉だけれども、上社は根が4本の「諏訪梶」、下社は5本の「明神梶」だそうで、間違い探しのようだ。しかも春宮は「諏訪梶」と「明神梶」が混在した社殿だった。洩矢神社は「丸に一つ柏」だった。
柏も梶も神事に使われる葉ではあるようだけれど。

四脚門への階段
ふたつの宝殿の間には、一番古い建物とされる四脚門があって、そこに行くための階段もある。お寺の山門のよう。
どちらにしても四脚門の先、参拝所の先の石畳の空間は、神職しか入れないのだろうな。
本宮の境内図を見ると、参拝所の先、拝殿の先に森のようなものがあり、「神居」とあるけど、よくわからない。
ご神体とされる守屋山を向いているというが、守屋山は見えない。
四脚門の正面に硯石があり、その先が守屋山だとすると硯石が要石とも思うけれども。
あれをタケミナカタ様だという気にもならない。

ここにきてようやく、諏訪大社には本殿がない、の意味がわかってくる。
現人神が神様だから、本殿がないのだ。
下社も上社もわかりやすいほど拝殿に鏡や御幣があった。
ここに向かって祈りなさい、とばかりに。
yatsu-genjin.jp

そして現人神がいない現代では、たぶんあの石畳の空間が一番のパワースポットのように思われた。
四本の御柱がつくる結界の中心地。今日は前宮も本宮も神社の境内だけ、雨が降っている。

一之鳥居(波除鳥居)
一之鳥居を見に行ってみる。波除というからにはここまで湖だったのかと調べてみると、一之鳥居はかつては一の御柱の脇にあったらしい。つまり今はメインとなっている駐車場も北参道も湖の中ということだ。
yatsu-genjin.jp

雨が止んできたので、Café Mishun’s(カフェ・ミシュンズ)まで歩いて、ゆっくりランチ。
私たちのほかに客がおらず、贅沢な空間だった。

ログ
前半のログ。後半は録れてなかった。
諏訪市博物館でまたしても御柱祭のダイジェストムービーを見る(下社で観たのより年代が古い)。
3回目のエンドレスエイトを見ながら、やっぱり御柱は結界だなあと思った。
弥生時代の集落跡は、大きかった諏訪湖の沿岸にある。
高台だった縄文時代の住居跡は、墓になっているそうだ。
高島城は浮城だったというし。
洪水被害を抑え、諏訪湖干拓して、諏訪湖が小さくなったのはつい最近のことのように思える。

下馬社
後半の歩きは、国道をなるべく通らないで、歩く。
下馬社を発見。うん、やっぱりここらを駐車場にして歩くべきよと思う。
今回の旅のテーマは下馬だわ。

公園
ついでに川越し公園にも行ってみた。ひっろ。
昔はこんな大きな堤防じゃなかったんだろうな。

川越し
上社の御柱八ヶ岳国有林からわざわざ持ってくる。遠いのに!
川越しは御柱の禊とかいうけど、一直線に持ってきたら途中に川があったってコースに意味づけしたらそうなるだろうな。

木落し公園
で、もちろん上社の木落し坂にも行きます。こちらは数台ながら駐車場もある公園。
トイレまである。諏訪大社周辺はどこもきっちり整備されて、トイレがきれいなのが好感度高い。

木落し坂
最大斜度28度。下社よりはマシだけど、私には同じ崖にしか見えない。
連れが、お、これならスキーで滑り降りられそう、とのたまう。
階段で少し下に降りれば、私でも滑りおりられるかな、と行ってみると。

子どもスキー場
「ソリ遊びは下の人に注意して」との案内。
ここでソリ遊びするんだ!!
そういえば、長野の高校生は、高校スキーでジャンプを経験するらしい。
あーあれも最大斜度35度くらいらしいな。
氏子が斜度に対して恐怖心が薄い理由がわかってきたぞ。
うん、そりゃ木落とし楽しそうだわ。
エンドレスエイトで見ている木落しの映像。
あのハイテンションっぷり、神がかってるわ。

そういえば、去年の秋に行った、生島足島神社にも御柱があった。
あの神社は本殿内殿の土間がご神体。
あのときは土間が!と思ったものだけれど、諏訪大社御柱に囲まれた中がご神体なのかも。
御柱ってなんかみたことあるな、と考えていたら、地鎮祭に似ていることに気づいた。
正しくは「とこしずめのまつり」というらしい。
うん、そっちのほうがしっくりくる。
その土地の守護神を祀り、土地を利用させてもらうことの許しを得る。
この、活断層と温泉と洪水の、豊かな国で生きていくこと。
お諏訪さまは、そういう位置づけなんだと思う。
そして私は、今日の雨をタケミナカタ様が降らしているのだと思うことにした。
ありがとう、蔵王樹氷を見せてくれて。

そういえば本宮の御朱印の日付が明日の日付になってた。
どんなメッセージよ・・。
nagareru.hatenadiary.org