もう私たち、大人ですから。
今回の旅の一番の目的は、写真中央矢印▼の部屋です。
現代アートと言ってもそれはそれは多岐に渡るので、白井屋ホテルと言われても、好きな作家でなければ見向きもしなかったと思う。だけれども私が現代アートに親しむ機会を得られたのは、間違いなく群馬という土地柄だった。
群馬には「金持ちは芸術に金を払うもの」という「パトロン文化」がある、と思わされることが多々ある。井上房一郎という有名人は元より、名を残さないパトロンがいてこその芸術。
特に高崎市ゆかりの山口薫や鶴岡政男の作品を見てるとそう思う。
白井屋ホテルは、JINS代表・田中仁(たなかひとし)氏が私財を投じたそうだ。
田中氏が前橋市出身と聞いて、ああこれぞ群馬県実業家の気概だなと思った。
白井屋ホテルは藤本壮介の設計。
藤本壮介と言えば、私にとっては「武蔵野美術大学美術館・図書館」。
ブロックの組み合わせが美しい設計、というイメージ。
中でも最近は自然(植物)を取り込むデザインが増えてきてる。白井屋ホテルはまさにそれ。
そして、その中に、宿泊者にしか見られない芸術、がある。
それが「宮島達男」と「レアンドロ・エルリッヒ」でなければ、あえて宿泊はしなかったと思う。
ここから先は宿泊者以外立入禁止ですよ。写真はサウナルーム。
鍵をもらって最上階エリアの「瞑想ルーム」に入ります。
これぞ宮島達男です。ゼロがない。
目に見えるようにカメラで撮るのは難しいな。
これまでもこのLEDデジタルカウンターの作品をいくつかみてきたけれど、ここまでセグメントに近づいて見られるのは初めて。
宮島達男作品をひとりじめ!
もうこれをするために、お金を払ったのよ、もうずっとこの部屋にいたい、一晩中いたい。
と思ったら、なんとサウナの時間は見られません、とのこと。え?なに?何の話?
聞くと、瞑想ルームの手前にサウナがあり、サウナを利用する人がいると瞑想ルームには入れないのだそうだ。
なにそのトンデモルール。信じられん。
ちなみに下記がサウナの時間。
16:00~17:20・18:00~19:20・20:00~21:20・8:00~9:20。
え、瞑想ルームに入れる時間、少なすぎやしない?。
瞑想ルームに入れない時間はごはんの時間にしようということで、予約してたディナーと朝食の時間を変更。
夜は24時には消灯、朝は7時には電源を入れるというので、夕食前・夕食後・朝と3回見ました。
それぞれ1時間くらい堪能できて、合計3時間瞑想ルームに籠ってたことになる。
他の方が見学に来たら交代してくださいということでしたが、誰も来なかった。あれ?
宿泊は「レアンドロ・エルリッヒルーム」。もう部屋を指定しての宿泊です。
ここに泊まれなければ意味がない。
1泊朝食付ひとり30,800円。ふたりで61,600円。
我々、通常の旅行価格は、2人で1泊朝食付8,000円です。
なので、1泊に7泊以上の値段を払うという、破格です。
これでも日曜宿泊なので、金曜土曜に泊まるプランより安い。
これに全国旅行支援「愛郷ぐんま割」で、一人5,000円引(2人で10,000引)。
クーポンが6,000円分ついてそれをそのまま夕食のコース一人分の支払いにします。
最終的に1泊2食2人分で59,740円。
うん、まあ、ひとり1泊2食3万なら、払える値段です。
真鍮パイプは、落ちてきたら死ぬねえ、と話しつつ、うっとり。
チェアのパイプも真鍮。重すぎて移動できない。
ソニーのグラスサウンドスピーカーとかあって楽しい。
バスも洗面も真鍮。うっとり。
この歯ブラシスタンド、売ってたら買いたい。
アメニティも1泊3万円レベルの素敵アイテムです。
オリジナルのランドリーバッグ、持ち帰り可とか気前よくて嬉しいわ。
レアンドロの作品は、ホテル内にもあるので、部屋だけ堪能というわけにもいきません。
ラウンジでカフェをし、ディナーも食べて、ひたすら眺めます。
ちなみにラウンジではピアノ(スタインウェイSPIRIO|r)の生演奏があったのだけれど、なんとこれ昼間だけ。
レアンドロのお部屋の中でも聞こえました。
むき出しコンクリートや螺旋階段との組み合わせも美しい。
まさにレアンドロ・エルリッヒと藤本壮介のコラボレーション。
天窓があって、陽が落ちていく空も美しい。
隣の「大気堂」とのコラボすらアート。
なにこのアート感!
赤くなった! 色が変わると聞いていたけれど、変わるのは夜だけです。
しばらくずっと赤。
ちょっと夜の前橋も歩いてみます。前橋アーツと並べると信号すらアート。
そういえば、杉本博司作品もあります。
フロントにあるので、じっくり眺める、とはいかないけど。
青くなったー! しばらくずっと青。
七色に変わると聞いていたけれど、いつ変わるんだろうねえ。
だらだらと待つ。23時30分。
あ!変わった! 23時35分。
24時に消灯って言ってたから、30分もないのか。
うっとり。ちょっと移動してみよう。
ゆっくりと色が変わっていく。
お金かけた甲斐あるわァ。堪能。
そんなわけで、今回はサウナを使わなかったけど、次回があればサウナもいいかも。
バー真茶亭は⾦曜・⼟曜だけの営業で行けなかったからそれを狙うのもいいかも。
ブルーボトルコーヒーのほかにケーキ屋とパン屋も併設されてて、素敵ケーキと御洒落パンが食べられる。売り切れてたし、あとになって知ったことだけど、シナモンロールが絶品らしくて、今度食べてみたい。
www.shiroiya.com
隣にある前橋大気堂は、大学時代にお世話になった文房具店です。
タイプライター展示してた。
銀座の「鳩居堂」みたいな高級文具店。
当時はネット注文とかないから、マーメイド紙買うのにここに行って注文するしかなかったのよね。