「レトロフューチャー」言いたいだけ。
ハトヤは高級ホテル(だった)!
ドリフがネタにするくらいのCM(だった)!
そういわれてみると、遠い記憶にドリフが魚を持ってビチビチやってたような気がする。
ふむ、どうやら連れにとってのハトヤとは、私にとっての改修前のスギノイパレス(大分県別府市)だな、と理解した。
ちなみにスギノイパレスは都築響一「珍日本紀行」にも収録されている。
minkara.carview.co.jp
ハトヤのCMは関東ローカルなので、愛媛県生まれ愛媛県育ちの私は全く知らないのだけれど、連れに熱く説明されたので、私もハトヤの「レトロフューチャー」を見たくなった。
こういうのって「今のうち」。
note.com
dailyportalz.jp
DPZの記事ですら10年前か!
そんなわけで、初・ハトヤ。
最安プラン1泊朝食付26,400 円(2人分)。
ちなみに素泊まりプランもあるけれど、サンハトヤの無料券がつかないので却下。
1泊朝食付2人で1万以下で宿泊する我々からすると、いまだ高級宿に類する価格ですが、お部屋はおまかせ、布団敷きはセルフ、夕食なし、でこのお値段。
楽天トラベルのサイトを見るだけでも、あまりの注意書きの多さに省エネ営業している、とわかる。
オペレーションは期待できないのでできるだけ従業員と関わらないのが吉。
夕食会場が朝食会場と別だったら夕食もつけようかと思ったのだけれど、同じ場所でバイキングでらしいので朝食だけにした。
夕食は近くの店にでも繰り出そうかと考えていたけれども、送迎バスが信じられない坂道を登っていくので、近く(歩いて出かける)という概念が覆された。
サンハトヤからそれなりに歩いて出かけた道の駅で適当に買ったパンを部屋で食べます。
とりあえず撮らずにはいられない連絡通路。
プロムナードという名前からして近未来感ある。
昔のパンフレットだと灰皿があるのが新鮮。
blog.goo.ne.jp
ハトヤの写真はネットに相当転がっているので、私もまったく同じ写真を撮りましたが(苦笑)、行ってみたら「レトロ」はすっかり通り越していた。ので営業妨害にならないと思われる程度に書き残しておく。
スギノイパレスがハイセンスホテルに生まれ変わってしまったみたいに、ハトヤは建て替えるか廃業するかの瀬戸際だと思うので、レトロフューチャーが見たい人はほんと早めに行っておくべきだと思う。
すごいな、としか言いようがない、増改築しまくった感がある館内地図。
しかも古さが現役。
これだけで昭和40年~50年代あたりの盛況さを目の当たりにしてくらくらする。
あとでわかるけど、今は使われてない客室フロアが半分くらいある。
宴会場は驚くほど広くてたくさんあるけど、使われているのかすら怪しい。
今回の部屋はロイヤル別館(一番右)。
そういえば、最初にフロントで受付して「右手にお進みください」と言われて行こうとしたら、壁。
どうやら火災用の非常扉が(勝手に)閉まっていて、通路を完全に塞いでいるようだ。
フロントに言ったら開けてくれたのだけれど。
これは・・!(廃墟の匂いがする)
オートロックなんてものは当然無く、wifiが入っているらしいことがむしろ驚き(弱くて使えない)、トイレが古いながらウォシュレットで頑張っている。
朝食会場でも確認しに行くか、と思って、たぶんこっち行けばある、と歩きはじめたのだが。
(館内図にない)連絡通路の壁紙が剥がれていて、蜘蛛の巣がある。
ハトヤ消防隊はナンバーが運輸局のものではないので、敷地内しか走れない。
かつては2台所有だったようだが、まだ1台確保しているだけでもエライ、と思い始める。
かつての夕食は個室だったハズ、というので館内図を頼りに探してみたらあった。
たくさんの個室が、真っ暗で物置になってた。
今は夕食はバイキングなんだからまあそうだろう。
なぜ使われない和室というのは障子が破けてしまうんだろう。
第3・第5別館のエレベーターにあった館内図。
上層階だけ客室として使っているらしい(使っていない下層階はハトの絵)。
張り紙が傷んでいるのに直さないところに仕事の杜撰さがでてる!と上司に怒られた昔を思い出す。
フロア使ってないけど、エレベーターちゃんと止まるし、階段も移動できる。
まあ災害時の非常階段になるわけだから、当然か。
かろうじて電気がついてて助かる。
(スマホのライト点けて移動している)
夜食処。
やってないというレビューが多かったのでどうかなーと思ってたけど、ちゃんと21時からオープン!
うんうん、3連休の初日でやってなかったら、いつやるっていうのよね。
営業してないのは「スナック」(!)「麻雀室」(!!)くらいで、バーもカラオケも営業しているようでした。
「夜食が出るホテル」っていう文化が残っててうれしい。
夕食をパンだけにしておいた甲斐があった。
浴衣でラーメンを啜り、ぎょうざをつまみ、おにぎりを食べる。
目の前で作ってくれる温かいスープと麺。
柔らかい皮の餃子。
握りたての米がほろほろと美味しい。
私たちが入店したときは誰もいなかったのに、あとから客が入ってくる。
でも静かな語らい。
なんつーおとな空間。
うん、もう四十も超えたら大人って言ってもいいよね。
あー大人になってよかった。
ダイヤモンドホールには入れず。
せめて休憩所とかで入れたらよかったけどなあ。
これだけ広いと清掃だけでも一苦労なんだろうなあ。
まあ、他にも、昔は大活躍したであろうライスロボ(自動炊飯器)とか、従業員用裏通路(廊下が二重構造になっている)とか、使われていない無数の椅子の山とか、血塗られた殺人現場かと思うような雨漏りとか、うわあっていうくらい楽しめました。
というか足疲れるくらい広すぎた。
おっと朝食会場に行くはずが、ずいぶん回り道(探検)してしまいました。
貸切大型バスが何台も乗り付けたであろう「社用族」の時代をおもんぱかる。
見上げたら「令和4年度東京スバル株式会社感謝式」とあったので、ちゃんと社用に使われているらしい。
こんな会場使って会社がパーティやってくれるなんていいなあ。
ネオン現役!
部屋は古い和室ながらも、広縁があって、ローテーブル&チェアでゆっくりハトヤビューを楽しめる。
もうこのハトヤネオンを肴に語れるわ。
いつまでも見ていたいと思ったけれど、夜中には消灯するみたい。
朝日が美しい。
快晴のハトヤビュー。
ダイヤモンドホールの上、昔はビアホールとして使ったりしたんだろうな、と勝手に想像する。
シアター別館は八角形になっていて、今こんな無駄な構造でビル作らないよねえ、と思う。
八角形が乗っかっている構造になってて耐震的に心配になる。
シアター別館の屋上のネオン、見たかったなあ。
blog.goo.ne.jp
いやー見たかったけど、その当時仮に、年齢的に今くらいで、お金も持ってたとして、うちら泊まらないでしょう。
大繁盛で大混雑でぼろ儲けしてて、従業員が何百人も四六時中走りまわってて、客が歩きタバコをそこらへんでスパスパ吸ってて、ビール臭いオヤジがうろうろしている宿なんて。
シアターで演劇がじゃんじゃん行われてて、オネエちゃんがお酒注いでくれて、カラオケが大盛況で、温泉がイモ洗いみたいになってる宿なんて。
うん。
行かないなあ。
今回の部屋だって、「2020年4月1日より喫煙不可に切り替えての販売」ってわざわざ書いてあって、さすがにもうタバコ臭くないよねーって禁煙の部屋を指定したというのに。
連絡通路は下からも見る。
ひろーい風呂を独占かっていうくらいゆっくり入る。
夜も朝も入る。
プールもあるけど、水着は持ってきていないのでちらりとみただけ。
卓球もゲーセンも見たけど、まだちゃんと使えるように手入れしててえらいっていう気になってくる。
ちなみに朝食バイキングはびっくりするほど動線が悪くて、渋滞の上、右往左往。
ビジホの朝食バイキングって、ものすごく効率性重視・・。
そんなわけで、ハトヤに行くなら今でした。
レトロフューチャー・ハトヤに宿泊できて大満足。
お土産にはハトヤサブレとハトヤのオリジナル手ぬぐい。
ハトまんは残念ながらもう販売していないとのこと。