ひな菊と黒い犬

まあまあそこそこほどほど

中古の家を買ったら100万円でした

春
土地の価格は地価公示でわかるので、販売価格から土地の価格を引いたのが家の値段。

仲介不動産の担当の人に、家は100万てことですか、と言うと、取り壊して新築にされる方もいますよ、とのことでした。
我々にしてみれば、土地を買ったら100万で気にいった家がついてきた、ということになる。

新緑

最初から新築にこだわりはなかったので、気に入れば中古で十分と思ってた。
家探しで重視したのは、購入後30年以上の耐久性が期待できること。
少なくとも阪神大震災以降の建築物で耐震がしっかりしてること。
屋根のつくりが複雑でないこと。
できるだけリフォームしてない、新築時からの経年変化がわかること。
雨漏りがないこと。
東日本大震災を乗り越えてどういう影響があったかわかること。
そして、日当たり風通しのよい、小さな家。

土地で重視したのは、幹線道路沿いでないこと。
住宅街の中に入り過ぎないこと。
浸水マップに入ってないこと(過去に田んぼでないこと)。
バス停に近いこと。近すぎないこと。
下水道と都市ガスが整備されてること。
車が2台、できれば3台を並列駐車できる土地。

家探しは、いつまでに買いたいというのがなかったから、だらだらと2年ほどかけたけど、いくつかの候補はだんなのアンテナに全くひっかからなかった。
この間に妹と友人が新築で家を建てた。
だからといって新築にする気はさらさらなく、どうして新築にしたのと聞くと、揃って、まあそういう運命に決まってたんだと思う、と言われ、家というのはそういうものかと思ったけど、ほんとにそうだった。
つまりこの物件は一目見てだんなも気に入り、それが決め手になった。

秋

築年17年の販売価格としては妥当な価格設定、調べると私達が見つけた半年前に110万値下げしてる。
おかげで手が届きやすくなった。
引渡のとき、売主は赤字ですよと私達に言ってたけど、リセールバリューに価値を見出したことがない我々としては、そりゃ大損ですねと相槌を打ちながら感謝するしかない。
売主は家を3軒建ててやっと満足したとのことで今は3軒目に住んでるという。

17年前は土地も今よりいくらか高く、ハウスメーカーの坪単価から推察するに、おそらく1500万はかけて新築したと思われる。しかもこの売主は建てたあと海外赴任だったとかでほとんど住んでおらず、賃貸に出していたようで、とてもキレイに使われてた。
賃貸に出してただけあって、新築時の取扱説明書が全部残ってたのも良かった。

それが、私達に100万で転がりこんできたわけだ。
ええ、私達が使い切ってあげます。

冬

前のアパートは賃料が月54000円だったから、家代は一年半で回収したことになる。
アパートにいたときは、いつでもどこでも自由に引越できるのがメリットだと思ってた。
でもそれは、逆に言うとその場所にいつまでも居たいと思うほど、お気に入りではなかったからとも言える。
これから先も色々なことがあるだろうけれど、この家を買ってよかったと思うだろう。
私の人生で私がずっとたどり着きたかった場所にやっときたのだと、今は思う。

2013年

ローンが終わるまで、あと30か月。