ひな菊と黒い犬

まあまあそこそこほどほど

深堀隆介の金魚に会いにいく

2010年に羽田空港にDiscovery Museumができて、そこで深堀隆介の金魚に初めて出会った。生きてる、と見まごうばかりの金魚たち。以来、機会がある毎に作品展に行って新作を見るのを楽しみにしています。

大きな展示としては2013年サンシャイン水族館、2016年池袋西武の回顧展、そして今回の平塚市美術館。

グリーン車

2015年上野東京ライン開通のおかげで、上野から平塚まで乗り換えなし!贅沢にグリーン車に乗ります。2階建て車両の2階席! そして私は車両の一番前席が好きです。

平塚市美術館

平塚市美術館は市立の美術館とは思えない立派な建物でした。ああこういう(一見)無駄(にみえる)空間大好き。市がこんな美術館持ってるなんて贅沢すぎる。さすが人口25万人都市。商店街が長くて大きい。国道一号線沿いの町。

ちなみに隣の市立博物館にも行ってみた(無料!)。つくづく大昔から人がいる町。海の恵みがあって、広く田んぼが作れて、川も山も近いとなればそりゃ遺跡量産です。東海道の宿場町として発展し、海軍基地となれば、そりゃ空襲もあるだろうよ・・・と思わざるを得ない展示内容でした。

しんちう屋 金魚

最近は撮影OKの作品展示があってうれしいです。最新作「平成しんちう屋」。

こういう大きな作品もいいけれど、私は最初に見た金魚酒シリーズが一番好き。枡の中に金魚がいる。その閉じ込められた美しさ。

今回の展覧会では、一番最初に2003年と2017年の枡を並べていて、その違いを分かるようにしてくれていたのがよかった。

2003年の作品だって十分すごいのだけれど、2017年のものに至ってはほんとに立体にしか見えない。ブルーレイを見たらブラウン管には二度と戻れないように、解像度が違うのです。

今回は枡作品が多かったのもうれしかった。制作年代を丁寧に追っていくと、尾ひれの美しさに、鱗の立体が追加される。2010年の作品あたりから、化ける、という言葉がふさわしいくらい立体感が出る。

2018年新作の五合枡の金魚は、えらや目玉まで立体的で、すぐにでも泳ぎだしそう。私としてはひたすらこの枡金魚を大量生産してくれればいいのに、と思ってしまうのです。

今回は展覧会に合わせて作品集が書籍化していて、写真がとてもよかったので購入。今回の写真はよく撮れてる!、と思ったら深堀氏自身が撮影したものが多かった。納得。

帰りは、湘南新宿ライングリーン車に乗って渋谷まで。渋谷西武の無料展示はとても小さかったけど、見られてよかった。枡金魚が30万超で抽選販売してましたが、申込はせず。

私はこの人がこれからもずっと枡金魚を描き続けてくれるのを願う。そして機会がある毎に、展覧会に足を運ぶ。

2016年西武池袋の展示

2016年西武池袋での展示作品