ひな菊と黒い犬

まあまあそこそこほどほど

呉服屋さんで採寸してもらう

喪服をつくったと母が言うから出してみたら妹サイズだったので、私サイズで改めてつくってもらうことになりました。つくるときは勝手につくるくせに、つくってくれというといちゃもんつける母らしく、「お金は出すからそっち(関東)でつくれ」とか言われたのだけれど、こっちでつくると羽二重になるので単に着づらいからという理由で却下。愛媛では(関西では?)ちりめんになります。

私としては、喪服をつくるくらいなら、実家の着物を持たせて嫁にやるくらいの心構えでいて欲しかったんだが、そんな話はとんとなく、嫁に出て数年経ってからの喪服話に驚くやら不思議やら。まあつくるって言ってるんだからつくってもらうけれど。

羽二重でも別に良いっちゃ良いのだけれど、呉服屋さんってどこに行ったらいいかさっぱり分からない。百貨店に入ってる大手に行ったら、販売攻撃に閉口。紋章絵師の叔父に訊くと「昔からずっーと何十年もやってる呉服屋さんやったらどこでもええがよ」と言われたのだけれど、どの店がずーっとやってるかなんて分からんよ・・・。

で、結局叔父の口利きで、実家近くの呉服屋さんを紹介して貰いました。

今回は採寸だけ。とりあえず採寸しておけば安い時期に私がいなくてもお願いできるので。

前々から、自分のジャストサイズはどれくらいなんだろう?と思っていたので絶好の機会。一応既製品のLサイズを着てお店に伺う。

採寸は背中心から手首まで。肩から足首。身幅。

仕立てる時用のサイズを細かに書いてもらう。

教えて貰ったのは、襦袢丈・身丈・袖丈・袖幅・裄・肩幅・後幅・前幅・羽織丈・繰越。

着ていった既製品はかなり私サイズということでした。私の身長は164センチなので、今回の採寸でつくるとなると、昔の反物では長さが足りなくなるらしい。3丈(12メートル)は必要ね、と教えられる。反物で買うときは長さに注意。

着物を着て行ったので、衣紋はもう少し詰めてもいい、とか、お端折は帯の下7センチあたりが粋に見えるとか、いろいろ教えてもらって勉強になりました。

たたき

で、これがうちから出てきたたたき染めの正絹です。

この染めをしている作家さんが最後につくったもので、最後だからと叔父がうちの母に買わせたものらしい。当時はまだ母も若かったのでこういう色のを買ったようだけれど、買ったままお蔵入りになっており、今回叔父が「あのたたきはどうした?」というので出してきて日の目を見ました。

まあ、そのおかげで私サイズにつくることが出来るのでさっそくお仕立てをお願いした次第。

たたきは色無地と同じ扱いなので、袋帯も合わせられるかなり格の高い着物。とても珍しい染めのようです。

「染みとかつけてしもたら手入れしてやるけん、すぐ送れ」と叔父の言。助かる。

双岩駅周辺

ついでながら、私の育った地域です。駅周辺の(駅と言って無人駅なのですが)人口密度の高そうなところを撮影してみました。この光景はかなり好き。田舎です。JRの駅が通ってることに今更ながら感動してしまう。

今はトンネルが開通して隣市に行くのも楽になったけれど、前は峠を延々回って越えていた。うちの墓に行くには未だその峠を越えなければならないので久しぶりに峠を通ったら「ヨーロッパの山道みたい」と妹。ああ、実家にいたときはそんなこと考えもしなかったけれど、そういえばそんな感じなのですよ。