新海誠作品に、よもや地元が出るようなことがあろうとは。
新海誠といえば、ほぼ同世代といっていい。
「ほしのこえ」からほぼリアルタイムでずっと観ている。全部観ている。
「秒速」なんて心がえぐられすぎて、絶対に人に勧めないけれど、新作は必ず見たい作家。
それが「君の名は。」を公開初日に見に行き、ついに大衆に受け入れられる作品ができてしまった。と思った。
「すずめの戸締まり」がロードムービーだと気づいたとき、え、このコースって八幡浜通る、水曜どうでしょうの逆コース・・と思ったらほんとにでてきた。
新海誠といえば、ロケ地をそのまま映像化する作家だ。
もう疑いなく、八幡浜駅だった。
私が高校3年間通った八幡浜駅。
八幡浜駅改札。私が3年間定期で通り抜けた改札。
八幡浜港フェリーターミナル。
映像見ながら、ああもうこの光景を見ることはない、と思う。
映画の公開が11月、先の4月に移転したばかりなのを知ってたから。
仕方ないので、何もないのを見に行く。
愛媛と大分は、豊後水道を挟んでお向かいさん。
大分テレビだって映る、小学校の修学旅行にも大分に行く。
八幡浜市民にとって大分は、多分他の四国の県よりも身近。
とりあえずGoogleストリートビューを見たら旧ターミナルの映像があった。
Google マップ
これ、同じ場所の、フェリーとは反対側の景色。
この先の橋のたもとに私が通ってた塾がある。
映画見て、ソッコーで地元の友達に「すずめの戸締まりに浜が出てる!」と連絡した。
もう「新海誠」は、一部のアニメファンの監督ではなくて、誰でも知ってる監督だと思ったから。
「すずめの戸締まり」のことはみんな知ってたけど、誰も観てなかった。
映画館が遠くて、という。
調べると、愛媛県には映画館が松山にしかなくなってた。
大洲にも宇和島にもない。
夏の設定なのにみかんの色がオレンジだったね、という話が、できなかった。
新しいフェリーターミナルを見に行く。
もうなんの感慨もないけれど。
2隻着岸できるつくりになってて、フェリーちゃんと使われてる!とうれしくなった。
カフェで昔のフェリーターミナルの話をした。
花火大会のこと、別府行きのフェリーに乗ったこと、この人とまたここに来られてよかったと思う。
なんで地元を出たかったかわかっていた。
望んで遠く離れたことも。
私が高校生の時に考えていた未来を、今は手にしていることも。
実家のホタルを4年ぶりに見た。
台風でみんな流れてしまったかと思ったけれど、ちゃんと見られた。
そういえば「君たちはどう生きるか」を観ました。
最寄りの市内の映画館で。
どんな難解な話かと身構えていたのに、とても分かりやすい話でした。
あれでわからないなら、わからなくてよい。
「ハウル」なんかよりずっとちゃんと描写されていて説明していた。
仕方ないのでラピュタとオネアミスの翼のDVDを引っ張り出してきて口直し。
好きな作品を好きな時に観られる贅沢。