ひな菊と黒い犬

まあまあそこそこほどほど

黒檀の箸

実家は竹の箸をずっと使っていて、箸の先を折ったり潰したりしては、新しいのを買っていた。私はそれがいやで、一人暮らしをはじめたら竹の箸は買わない、と心に決めたものだ。いまだに塗箸も好きではない。(塗りがすぐはげるので特別なときにしか使えない)

で、18のときに、雑貨屋で「硬くて良い」と書いてあった紫檀と黒檀を比べて1時間ほど悩み、さらに悩みぬいて2膳買った。黒檀の手彫り箸。1996年。1膳980円だったと思う。箸に1000円も払うなんてと当時は思ったものだけれど、その2膳の箸が、現在も現役である。

なんのメンテナンスもなしで、余裕で10年使えた。

気に入ったので、今年追加で2膳購入。大阪の陶器市で手ごろなものを見つけた。黒檀の箸、と言っても実はデザインがいろいろで、八角や六角や丸や捻りといろいろある。値段もぴんきりで、200円のもあれば、8000円のもある。

ほんとは、追加で買うときはもうすこし値の張るものを、と思ったのだけれど、結局同じデザインのを1000円で買った。箸専門店の「夏野」(参照)で散々触って、同じのが一番使いやすい、と思ったのだ。

新しいものはまだ表面に艶があって、古いものとすぐ区別がついてしまう。

古いものは表面の漆がとれてしまって、煤けている。それはそれで、気に入っている。

黒檀手彫り箸・新旧