ひな菊と黒い犬

まあまあそこそこほどほど

行ってみたらあらためて新潟が異世界だった2

前回のおはなし「行ってみたらあらためて新潟が異世界だった」

ひと昔前は自家製天然ガスが利用できて、掘ったら油田があるなんてどういう状況?!というのに納得が行かなくて、石油の里に行ってみました。1988年開館というので、予想はしてたけど色々古い。

石油の里・古代館

古代館は廃墟でした。

里山ビジターセンター

里山ビジターセンターがぴかぴかでうれしい。

かつて原油がじゃんじゃんとれた金津油田は、この一山全部、原油を汲み上げるためのやぐらが立ち並んでいたのだけれど、今は里山として自然観察地になってるみたい。

C87井

油田を組み上げるための井戸(遺構)が一山あちこちに点在している。平成8年まで現役。すごい。

ジオラマ

石油の世界館は無料博物館。古い博物館はジオラマが贅沢でたのしい。最盛期のやぐら乱立ぷりと中野家(元・庄屋の社長の家)の豪邸ぷりがすごい。でも最盛期は明治の終わり。工業化の前にピークが終わるなんて!なんて原始的な油田なんだろう。

解説を読んでいると、江戸時代初期に発見された、ということだけど、昔からそこらへんに滲みでていた感じ。原油のことを草生水(くそうず)として紹介しているけど、これ「臭い水」が語源でしょう。黒くて臭くて燃える特殊な水、でも農業には使えない、そんな液体があちこちから湧出してたら、そりゃ地元の庄屋はこれをなんとかできないかと思うだろうな、と思う。

そう考えると「金津」という地名も読んで字のごとく、と思えてくる。

せっかくだから周りの遺構も見たい、と思って歩き始めると、あるわあるわ。

C3井

ざらし!平成8年まで稼働してて、その後はそのまま放置してます、って感じ。油まみれで黒い。石油の臭いがする。

濾過地

油と水を分ける濾過地! 放置されてるのに、左が油(原油)、右が分離された水とわかる・・・。

近所にある神社の名前が堀出神社。「堀出」とはまた。

これは堀出神社にも行かねばなるまい、と歩き始めると予想通りでした。

原油 原油

私たちは、自然環境を守るという教育が始まった世代だから、洗剤や油を川に流してはいけません、と教育されてきた。だから川に油が浮いている様をみるとぎょっとする。

でもここはこれが「自然」。これが見たかった。川に滲み出る原油。きっと江戸時代以前からこんな感じだったんだろうと勝手に想像する。もし工業化の波に乗れてれば、ここが今も一大石油王国だったに違いない。

里山ビジターセンターで金津油田の資料があったので、休憩がてら読んだ。精製を小規模でするのは大変そうだ。でもきっと今戦争になったら国がまた徴収して掘り始めるに違いない、とか思ったりする。

ビュー福島潟

ビュー福島潟に移動して簡易ランチ。

くちばしの先は黄色 くちばしが赤いバン

もぐもぐ 何か探してる

お尻は白い ひとりでうろうろ

前から気になってた「新潟県立環境と人間のふれあい館」にも行ってみた。新潟水俣病資料館。

環境が大事という教育の前にはもちろん公害問題がある。でも環境汚染と公害は、近いようで全然違うと思う。何も汚さずに生きていけたらいいのに。そんなの偽善だけど。

海底油田の模型図 海底油田

ちなみに国内の原油生産量は今も新潟が1位。今は海底油田がメイン。石油の世界館で見たネオン管が良かった。