ひな菊と黒い犬

まあまあそこそこほどほど

台風でおこもり自炊、快晴でおでかけジオめぐり。

自炊
自炊のおかげでおこもり、温泉入り浸り。

キャンプすると思えば大抵のことは許容できます。
キャンプ道具一式持って行ったので、自前清掃後の高友旅館は快適そのものでした。
トイレは男女共用だけど、外にスリッパがあれば利用してることがわかるので出くわすこともなく気兼ねない。
障子が破れていたので応急処置したけれど、なんならプラスチック障子紙買ってきて貼ってあげたかった。
コンロの錆取りまではしなかったけれど、10日以上のガチ湯治をするなら錆取りしたな。

部屋には年代物の木蓋のご飯釜や、魚焼網やフライパンが付属していますが、一切触っていません。
自炊湯治というとキッチンが共用のとこも多いけど、キッチン共用ってのは正直かなり気兼ねする。
ゲストハウスとかもそうだけれど、台拭きはどこまで拭けるか、タワシはシンクを掃除できるのか、食器の洗い方、ガス台の後始末、そういう衛生観念の共通構築も必要だし、何を作ってるか何を食べてるかをネタする・されるコミュ力が要求される。
細かいのも無神経なのも困るという、かなり高いハードル。
キッチン付きの宿は、ゲストハウス・ホステル・コテージ・ロッジ・コンドミニアム・貸別荘と色々利用したことがあるけれど(ホームステイや青少年自然の家とかもあるけど)、結局は自分の道具が一番使いやすかったりする。

基本キャンプ飯と同じ準備をしたので、家にある生ものをクーラーに入れて持参。
家の冷蔵庫はほぼ空にして出てきます。
米は1泊1合を目安に用意するけど、今回は3合にしました。
キャンプは無洗米。研ぎません。
今までは1合で二人分だったのだけれど、ゆる糖質制限するようになって米1合もいらんな、という話になり、結局3回炊飯(夕・昼・夕)、おかゆ1回(朝食)でちょうどよかった。
ほかはカップうどんやパンで済ませています。
結局5日間でミネラルウォーター2リットルを4本使いました。
調味料は、オリーブオイル・塩・しょうゆ・酒・スープの素。
スープの素は今回は即席みそ汁。
nagareru.hatenadiary.org

台風が来るというので、3日目はおこもり決定。
おこもり前日に近くの「薬王堂」まで買い出しにでかけます。
薬王堂は、スーパー・ドラックストア・ホームセンターが合体したようなお店。なんでも揃うみんなのオアシス。生鮮食品で精肉があるのがすごい。
高友旅館でも数年前の旅ブログでは、帳場前に野菜を並べて売ってたりする。
昔は宿屋に物売りとか来たんだろうなあ。
高友旅館も料理のレビューは良いので全部素泊まりにしないで、1食くらいつけてもよかったかもね。
今回ははずしたけど、「ご飯とみそ汁を無料サービス」という湯治プランをやってる高東旅館とか、キッチン付&朝食付プランがある東多賀の湯とか、良さそうです。
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ガス台にミニ五徳 非常灯
今回は自前の火器を使わないので、持参したミニ五徳が大活躍でした。
一応ガス台が使えないことを想定して自前の火器も持参しておいたのだけれど、使わずに済んだ。
ガスも電気も使い放題なのも嬉しい。
停電になるかもというので、自前の電池ランタンも用意しておきましたが、部屋に備え付けのもちゃんとライト点きました。National製。いやー電池の液漏れまで想定してたけど、すごいわ。

当然ながら、部屋にアメニティや浴衣やタオルはありません。
キャンプで使ってる洗濯干し用のロープをキッチンに渡して使います。
壁に刺さってる使い道不明の釘、まさかこのためにあるのかしら・・・。
今回は車旅なので、洗濯はせず下着や着替えは多めに持参です。

お風呂タオルは手ぬぐい派なので、使っては干し、乾いては使いの繰り返し。
夏だからよく乾く~。
お風呂も1日4回くらい入るので、ムームーみたいな綿のワンピ一枚で過ごしました。
らくらく~
外食するとなるとそれなりに着替えたりしなければいけないので、自炊にして正解。

旅行初日8/10時点の台風5号
雨女雨男なので、雨対策も常にしており、台風ごときで驚きはしませんが、台風5号がまるで我々に向かってくるかのように曲がってきます。
嵐を呼ぶ夫・・・!
とか思ってましたが、微妙に逸れたので、それほどでもありませんでした。
雨漏りを想定して部屋の中でテントを張る気でいましたが、張らずに済みました。
おかげで雨の音を聴きながら部屋でごろごろしたり、温泉に入ったり、おやつを食べたり、本を読んだり、ネットで調べものしたりして(wifiは入りません)、おこもり大満喫しました。
脱水対策で溶かすスポドリも持参。湯上がりに飲むスポドリ沁みたわ。

感覚ミュージアム・江合川河川敷
前から気になってた「感覚ミュージアム」は、台風が来る前の初日、チェックイン前に行きました。
開館前に着いたので、江合川河川敷を散策。電光掲示板に「ダム放流中」が出ていて、川が茶色です。

鏡の部屋・エアートラバース
鏡の部屋・エアートラバースは温室効果も相まってめっちゃ暑かったー!
2000年開館で、いろんな部屋があって楽しめます。
今でこそ「チームラボ」が有名だけれど、ああいう「アートコレクティブ」の走りと思う。

創作楽器エリア
光がきれい。
ミュージアムカフェでブランチ。
カフェ部分は入館料ナシでも利用できるところもいい。
鳴子産のブルーべリーシェイクが美味しい!
大崎市鳴子温泉では酸性の土壌がブルーベリーの栽培に適していて農家がたくさんあるそう!

放流中の鳴子ダム
放流中の鳴子ダムも見に行きます。
放流中といっても一番下からの放流なので放流はほぼ見えません。
夏は台風にそなえて元々満水位が低いのだけれど、さらに下げています。
アーチ式ダムうすーい!
重量式に比べて費用がかからず早くつくれる、でも峡谷必須。

鳴子ダムの峡谷
日本人が初めて設計し、施工した最初のアーチ式ダム、ということで資料館に資料盛沢山で楽しい。もちろんダムカードもいただきます。歩いてダムの天端まで行きます。クマ注意とか看板あるので、熊鈴りんりんさせつつ。

トンボ
トンボたくさんいました。

鳴子峡
鳴子峡
松尾芭蕉の足跡「おくのほそ道」という遊歩道が整備されているらしい。トレッキング好きとしては興味深い。
www.miyagiolle.jp

細倉マインパーク
台風一過の4日目は、「細倉マインパーク」。
温泉巡りを再開するか、どこか観光に行こうか、予定を立ててなかったのだけれど、夫が「避暑しよう」というので行くことにしました。鉱山跡地のテーマパークは寂れているところが多いのだけれど、キッチンカーが出るほどの大人気っぷり。お盆ということもあって3世代で遊びに来ている家族多数。
ラーメンとおにぎりでランチ。おいしかった!

入口
鳴子温泉は「夏は暑く、冬は寒い」が代名詞になっている。
なのに今回我々の旅行先でクーラーついているところ、ほとんどありません。
というか最高気温30度はきっとマシなほうなのです。(東京36度とかなので)
この日、細倉マインパークは16度! 涼しいというより寒い~
長袖の上着持ってきておいてよかった・・・・!

細倉マインパークの人形
坑道入口。人形に目を奪われがちですが、「感天採鉱課坑内平面図」が必見。
鉱山観光というと江戸時代のものが多いのだけれど、ここは近代!
別子銅山も記録映像がカラーで「近代鉱山!」と感動したものだけれど、1987年(昭和62年)閉山と新しく、三菱資本が入ったので近代的!
「感天採鉱課」という言い回しも会社感あるし、鉱山内に「休憩室」や「シャワー室」の跡地があるところも、なんとか福利厚生よくしようとしてたことがわかる。

鉱石
出土する鉱石の種類が多くて、金や銀を採掘していたこともあったようだけれど、鉛と亜鉛が主力。戦争とともに乱高下する経営をよくぞ支えて現代まで運用したな、と思う。併設の資料館も必見です。

鉱山跡地
掘っていくと地質が違ったから掘るのをやめたという、跡地。
素人でもわかる地質の違いすごい。

くりはら田園鉄道線
くりはら田園鉄道線(旧・栗原電鉄)は、2007年(平成19年)廃線
細倉マインパーク前駅に行ってみたら思いのほか人気でした。
移設された駅舎から元の駅の場所まで歩いてみる。
駅舎自体はちいさなものだったけれど、反対方向の列車とのすれ違いができるように複線になっている。
「細倉マインパーク前駅(元・細倉駅)」までが旅客で、この先に貨物用の「細倉鉱山駅」があって1987年(昭和62年) まで稼働してた。
細倉鉱山資料館が閉館してて、廃墟を見に行ったけれど、資料館前の狭い道路にやたら広い歩道がつけてあって、あれ歩道じゃなくて鉄道跡か、とわかった。
閉山しても工場は現役だったし、マインパークの資料館で鉱山稼働時の地図があり、当時をしのぶことができる。
駅からズリ山はあれか~と見上げる。
つい先のGWに神岡鉱山「東洋一の規模を誇った日本有数の亜鉛の山」を見たばかりで、細倉鉱山は「最盛期は神岡鉱山に次ぐ規模」だったそうで、三菱が財力でいいところだけ持っていく・・・とか思う(笑)。

ジオパーク
まあそんなわけで「栗駒山ジオパーク」にも行ってみました。
小学校再利用のミュージアムは建物自体が面白い。
ジオパークはどこもどうも見せ方がうまくなくて、足を伸ばして来てみたけれどもあまり収穫はなく。
細倉鉱山が蛍石まである多彩な鉱石をたくさん産出できた謎は解けなかった・・。
でも細倉鉱山の鉱床が断層で成立していることがわかって面白かった。

そう考えてみると、高友旅館のあの「黒湯」は、ボーリングで産出して、鳴子温泉郷では他に類をみないレア泉質で、「当てた!」感強いわ。宿がぼろくなっても温泉ファンがなんとか支えている。
コロナ禍で相当にダメージをくらったようだけど、我々には「山師」経営はできないので、頑張っていただきたい。
鳴子温泉には大江戸温泉資本が参入したから全体的な底上げになっているように思う、大江戸温泉や伊東園はバブルの名残を再利用しているから地方にも参入しやすいのかも、東鳴子に星野ってのは無理かなぁ、ひらまつあたり来ると面白いのにな、と色々妄想してみたり。

鉱山めぐりもして、仕事のモチベーションも上がってきて、さて仕事するぞ!という気分になってきた。
湯治旅、終わり。