ひな菊と黒い犬

まあまあそこそこほどほど

花金でブックホテルに泊まることにした

永野護サイン色紙
小説しか読まない人は「本好き」じゃないよ。というのは、同僚による名言。

東所沢に「角川武蔵野ミュージアム」が2020年に開業して、これは行かねばと思いつつ早5年。
なんていうかね、守谷から所沢って、心理的に遠い。
月5以上の通勤ルートである武蔵野線に休日には乗りたくないというのもあるし、ヘタすると守谷から東所沢まで全部立っていないといけない可能性もある。
車で行くには渋滞回避で朝6時くらいに到着することになり(開館10時なのに)、電車で行くには苦痛の往復3時間コース。
泊まるほどの距離ではないけど、行ったら行ったで「開館から閉館まで一日中居たい」から、日帰りするにはしんどい。
なにか絶対見たいというような展示があったら行こう、と思いつつ、「隈研吾 展」「俵万智 展」「ファン・ゴッホ 展」「魚っとこ水族館」「永野護デザイン展」をスルー。
ほんと人生って何があるかわからないね、夫が「電脳秘宝館・マイコン展」を見たい!と言い出し3連休に行くことにした。

もうオトナなんだからとビジホでも泊まろうと探してみるけど、3連休は1泊2万超。
大して楽しくもない宿に2万かあ、と調べていたら、「角川武蔵野ミュージアム」の隣にあるホテルがブックホテルとして2025年7月からリニューアルオープンしていて、金曜宿泊で16000円ということがわかった。え、土曜宿泊だと素泊まり58000円なのに!? いくら3連休とは言え、この価格差。供給曲線えげつないな。
オープン記念で15%OFF、楽天クーポン使用。
というわけで金曜に泊まることにした。
あとで知ったけど、日月は「推しの子」イベントだったらしい。
EVENT -TVアニメ『【推しの子】』日本全国 project 【47都道府県の子】-

グリーン車 東所沢駅
花金は、仕事の都合で神田からアクセス。
中央線快速が2025年3月15日からグリーン車スタート!
これは乗らねばとグリーン車で、すいーっと西国分寺へ。
東所沢駅、連絡通路の壁画すごい。

長さ28メートル壁画
竹本泉の絵に似てるーと思って調べたら、すしおさんだそうだ。年代ばれるわ。

光るマンホール 武蔵野坐令和神社
素泊まりにしたので、夕食朝食はオリジン弁当で調達。
というかめっちゃ住宅街。道が細くて暗い。案内板もなくて、Googlemapがないとたどり着ける気がしない。
駅からのアクセス想定してないのかしら・・と不安になってきたころに到着。
武蔵野坐令和神社の鳥居が多色で光っててびっくり。
「風の回廊」プロジェクトでたくさんの風鈴が飾られているのだけれど、風が強くてじゃんじゃん鳴っている。
これは・・・バーテックスが瀬戸大橋を渡ってやってきちゃう・・(!)
鷲尾須美は勇者である
とか思ってしまい、「鷲尾須美は勇者である」も角川だったなーとか思う。
ちなみに神社は昼間にも行ってみたけど、天井画(天野喜孝)は外からのぞくだけだったのでよく見えず。

サクラタウン エントランス
本棟の方にホテル直通のエレベーターがあるはず・・とうろうろ探してようやく到着。

エントランス
エントランスロビーが広い! このゲートの奥がレセプションです。
「IN THE LIBRARY hotel and books TOKOROZAWA」ホテル名が簡単なようで覚えにくいのは横文字だからか?
itl.solarehotels.com

フリードリンク
コーヒー・紅茶・ジュース(りんご・オレンジ)の4種が飲み放題。部屋にも持っていけます。
これだけ広いんだから、イスやソファはもっと凝ったデザイン性の高いものやリラックス度の高いものでもいいのにねえ。
夫は仕事帰りに圏央道を使って車で到着。
駐車場が無料って素晴らしい。

5000冊(ミラーマジック)
たくさんあると思ったら壁が鏡で倍増しているミラーマジック。
まあ5000冊しかないしな。(マンガ喫茶は3~4万冊はある)
成田で泊まったホテルのブックカフェは、100冊程度しかないのに洗練されていると感じた選書だった。成田観光&空港ネタに絞ったところもえらいし、成田闘争の本が数冊あったのも好印象だった。
www.choice-hotels.jp

新潮文庫ラインナップ
角川なのに角川文庫の冊数が少なすぎたので、新調文庫のラインナップを撮影。
「本好きあるある」だと思うけど、本ってほんと思想がでるというか、本棚で性格を慮るわ。
ホテルの場合は(想定している)客層を想像する。
まあ、本好きな友達の家に行ったみたいで面白い。
ブックホテルって、本を読みに行くというよりも、セレクトを見に行くという方がウエイトが高い気がする。
ここは、食べ物や飲み物や風景や建築や文化といった、アートでおしゃれな本が多い。
でもそれでいいと思う。
三好和義の写真集があっちこっちにあって、ここにもここにもここにもある・・と見てしまう。
アートな本が多いからって、たとえば写真集ならアラーキー篠山紀信はないし、土門拳や笹本恒子もない。
杉本博司とかありそうなのにな。

セレクト セレクト
特にスタッフが何かしてくれるわけではないので、自分セレクト。
レセプションに申し出ると2冊まで部屋に持っていけます。
検索システムがあるわけではないので、ブラウジングして直感だけで選ぶのも楽しい。
まあ結局、欲しい本はとっくに買っているし、読みたい本は読んでいる。
自分の好みの外からやってくる本が必ずしも面白いとは限らないし、たった一晩をつまらない小説に時間を費やすのも無駄なようで、ブックホテルのラインナップは、カタログ系の本(図鑑・事典・ガイドブック・知恵本・生活録・写真集・短編集)や人生系(ビジネス本・自己啓発・有名古典)でいい気がする。
そういう意味では「不思議の国のアリス」や「ムーミン」の解説本とか、ナナメ読み出来て面白かった。

ミニチュア ミニチュア
本棚の隙間のブックエンド?がミニチュアでかわいすぎる。
自分の好きな本が並んでいるとうれしいけど、家で読めばいい話。
ブックホテルに行って読みたい本って、図書館にはあまり入ってなくて、買うほどではない、本屋さんには古くて並んでない、そういうラインナップだったらいいのになあと思う。
ちなみに漫画は30タイトルもなかったし長編文庫ばかりだった(「めぞん一刻」(10巻)とか)で、「ポーの一族」ですら3巻だから部屋で読むのは2冊まで制限を考えると面倒。
まんがなら30冊くらい積み上げて読みたい。

オルトジャパニーズ
最安のデラックスツインとオルトジャパニーズの差が1000円しなかったので、ビジホとはテイストの違う部屋にすべく「オルトジャパニーズ」。風呂トイレ別なのもうれしい。
というか、広い! 普段泊まってるビジホと比べるのが間違いっていうくらい、6人まで泊まれる広さです。
自分で布団を敷く必要があるけれど、ごろごろできて和室タイプ大好き。
そういや私は寝転がって本を読むのが好きなのだ。
リニュアル前は「EJアニメホテル」として、全室プロジェクター完備の部屋だったらしいが、プロジェクターは無かった。残念。スピーカーはYAMAHAサウンドバー「YSP-5600」が設置してあり、サラウンド重視。音がいいとの評価だったんだけど、残念私好みではなかった。YAMAHAって実家にあったけど、こんなDENONみたいな音だったかなー。KENWOODみたいに高音域を綺麗に聴かせないので、ツイーター欲しくなります。
アマプラやYoutubeなどを自分アカウントで見られるので、なまじ自分がよく聞いてる曲とかだとがっかり感甚だしい。
(モード変更ができるリモコンがなかった…)
(アカウントは電源切ると自動で削除されるのはよかった!)

テラス
テラスはリニューアルで外の屋上庭園が見られなくなった。
夜はじゃんじゃん雨が降ってたので、朝撮影。

屋上庭園
テラスの目隠しがないと、屋上庭園から丸見えになるので屋上庭園立入禁止にするよりはいいのかも。
朝の屋上庭園。ここを歩けるのは宿泊者だけの特権です。
ヘリポートもあった。

角川武蔵野ミュージアム
チェックアウト10時までゴロゴロして、角川武蔵野ミュージアムへ開館直後に入館。
だって隣ですもの~。
隈研吾は木材建築が多いけれど、石の建築も好き。ちょっとアンバランスな感じも目を惹く。
太田の「史跡金山城跡ガイダンス施設・太田市金山地域交流センター」や筑西の「廣澤美術館」もいい。木造建築物みたいなカビ問題もないしな。

角川武蔵野ミュージアム
反対側の造形もいい。ロッククライミングしたくなるような石壁。

ゲーム
スタンダードチケットを買って、お目当ての「電脳秘宝館・マイコン展」へ。
とりあえず開館直後の空いているうちに、スペースインベーダーへ向かう夫。(お1人さま1回のみ、1日100人まで)
3面までいけたー!と満足顔でゆっくり展示見ます。

マイコン
私の年代だとマイコンはあまりなじみがない。

ニキシー管
それでもニキシー管を見ると「ダイバージェンスメーター!」とか思ってしまう。そういや、「Steins;Gateシュタインズゲート)」も角川映画ですね。

iMac
うちの大学、iMacが並んでたの今思うと異様だわ。
G3スケルトンとか、今でも飾っておきたいデザイン。

フロッピ
夫のパソコン歴はシャープ「MZ-2000」から、妻はNEC「PC-9801VM21」から。起動のピポ音懐かしい。
周りに誰もパソコンを持っていないせいで、父が私に与えた名作ゲーム「イース」の話ができたのは、大学に入ってからだんなが最初という馴れ初めがあります(のろけ)。5インチフロッピの懐かしさよ。ペラペラの紙袋ですら懐かしい。

本棚劇場
本棚劇場は、本が飾りになってしまってる(上の方の本絶対取れない)ので、どうかと思ってしまうけど、こういう天井まで本棚って夢の部屋。

プロジェクションマッピング
20分に一回プロジェクションマッピングしてます。
本棚が崩れていく様とか、焚書のようすとか、胸に刺さるわ。

墓場鬼太郎
EDIT TOWN「ブックストリート」はテーマごとの選書になってて、もう近所だったら毎週末通いたい。
とりあえず映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」をやっとみたので、「墓場鬼太郎」を見つけて読む。
ところでプロジェクションマッピングがすぐ隣でやってるんだけど、20分に1回って煩い。
イスは硬いし長時間居座れない圧を感じる。まあ居座られても困るんだろうけど。

ダ・ヴィンチストア
いったんミュージアムを出て、ダ・ヴィンチストア。雑誌「ダ・ヴィンチ」は創刊号から3年くらいは毎月買ってたなー(投書が採用されたことある)。
ストアは半分はグッズ屋になってしまっていたけど、やっぱりこれからの本屋はセレクトショップじゃないといけないねえと思いながら眺める。
今やグッズ屋になりさがったヴィレヴァンも、初期は気を吐いてて、エログロナンセンスにあふれてた。(夢野久作江戸川乱歩は絶対置いてあったのだ)
デジタルで本が読めることは悪いことではないけれど、たとえば角川文庫は、角川mini文庫といった企画本やカバーでジャケ買いさせる力がある。紙質や装丁も含めて「手に入れたい本」なのだ。
kadobun.jp

マンガ・ラノベ図書館
ラストは「マンガ・ラノベ図書館」。
思ったより狭い・・・!
約4万冊が集まるということだけれど、メディアミックスされた最近のタイトルがメイン。
もちろんCLAMPの初期作品やエヴァ本もあるわけだけれど、月刊ニュータイプの創刊号があったり、角川ルビー文庫を全種揃えてます、とかじゃないのね。

水盤
そんなわけで17:30には池上彰の30分前アナウンスが流れ17:50には池上彰が再度アナウンスしてきて、追い出されました。
3Fがリニューアル中で展示がなかったので、次回は3F行ってみたいなー。

高校
サクラタウンはショッピングモールではないので、ブランチと早めの夕食は、タリーズと観光情報物産館のカフェでいただきました。観光情報物産館のあじ定食とからあげ定食、美味しくて満足。
この巨大な建物の中は、通信制高校と書籍製造・物流工場らしい。
うわー、学校の傍にこんな図書館あったら入り浸っちゃうわ。

花火
世界陸上ブルーインパルス展示飛行が中止になって残念、と思いながら高速道走ってたら、花火見られた。
うれしい。

一日中本を眺められて、いい気分転換になった。
▼仕事帰りにホテル泊
nagareru.hatenadiary.org