ひな菊と黒い犬

まあまあそこそこほどほど

トンネルを抜けたら上高地は晴天だった

上高地ポスター
上高地に行ってきた。

今年もまた、上高地につながる国道158号線に土砂崩れが発生して上高地孤立、のニュースが流れたのが7月。連れが上高地のニュースを欠かさず見つけて「恐ろしい」という度に、そこに行ってみたいという想いがあることを私は知ってる。
四国生まれ四国育ちの私には、「上高地」という言葉の響きに含まれる憧れがイマイチピンと来なかった。
あの山岳写真を見るまでは。

(参考)東京都写真美術館:黒部と槍 冠松次郎と穂苅三寿雄 2014.3.4~5.6
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2145.html

思えば、2009年に映画「劒岳 点の記」を見たのがきっかけだった。
たしかにあれで、アルプスを見たい、と思った。そして2013年に黒部ダムを見に行った。
それで見る気になった写真展で、そうでなければ山岳写真なんて気にもしなかっただろう。
写真展はもちろんすごかったのだけれど、そこで展示されてた昭和年代の上高地の昔の観光ポスターやら観光案内やら、に見入った。山岳リゾート。
アルプスの美しさを見られるのは物好きな一握りの人間だけだった時代から、車という文明の利器でたどり着けるようになった上高地
そして昭和50年に上高地からはじまったマイカー規制。
それでも通年規制になったのは、平成8年からだというから思いのほか最近で驚く。
ちなみに平成16年から観光バスも規制しているらしい。どんだけ。
幸先のいい虹
アルペンルート扇沢駐車場の空きっぷりを見た連れが、今だったら、車で上高地に行けるかも、と言い出した。
これまでも何度か上高地旅行計画は立ててみたけれど、上高地の駐車場争いは熾烈で(登山家のための駐車場は空いている時間がほぼない)、だからこそ車ではなくて、新宿発上高地行きの高速バスを考えていた。
4連休の1週間前なのに上高地行きのバスに空きがあるよ!と私が言ったら、連れは高速バスは嫌だ、という。
たしかに、今だったらまだ間に合うかも。夏休みでもなく紅葉でもない、シルバーウィークにしては短い4連休。Go to キャンぺが東京解禁になる前だったら。
連れはちゃっかり、先週アルペンルート旅の長野駅で、上高地のパンフレットを持って帰っている。
シャトルバスに乗り換え
上高地の宿は、予定日の3日前に予約できた。
天気予報はくもり。どうかな、と思うけれど、台風も来てないし、土砂崩れは避けられそう。
国道158号線の凄さは、梓川3ダムを見ただけで十分だった。1本の川でダムが立て続けに続くなんて、黒部川並(黒部川のダムは5個)。道路沿いに見られる、というだけで、黒部川よりすごい・・。
そして入山隧道のトンネル内分岐! イヤそんなのは首都高で十分です。
ていうか、上高地に行くまでのトンネルが、みんな狭くて古いよう。暗いよう。

(参考)十二屋:分岐のあるトンネル
https://jyuuniya.yu-yake.com/tunnel/tn_bun_nyuyama.htm

国道158号線 
沢渡(さわんど)駐車場には、予定通り、朝8時到着。
繁忙期のシャトルバスの始発は5時なので遅いくらい。
それでも、上高地行のシャトルバス始発バスターミナルに最も近く最も駐車可能台数が多い、第3駐車場に停められました!
通常時は20分間隔で発車しているシャトルバスの時刻表が、1時間に1本になってて驚愕。
4連休は感染症対策もあって、増便して30分おきにしているようで、おかげでゆっくりバスに乗れた。
7日間有効往復2300円。
途中の渓谷におののきつつ、警備員がいる釜トンネルの入口までは、自分の車で来られるんだねと言いながら、長いトンネルを抜けると、大正池が見えた。
河童橋・穂高
バスを降りて、河童橋が見えるところまで来ると、あまりの晴天に泣きそうになる。
穂高連峰の美しさよ!
ああほんとうに、来てよかった。来られてよかった。
人生で一度くらい行ってみたいと思っていた場所にきて、こういう風景が見たい、というそのものが見られて、本当に良かった。
上高地は「神降地」だったという。
雨女雨男の私たちの旅行からすれば、神がかってる、とさえ思えるほどの晴天。
河童橋・焼岳
焼岳は残念雲がかっている。